住宅ローンの種類~金利・返済方法・フラット35
CFP® 吉田貴彦(よしだたかひこ)
1.住宅ローンの金利の種類
住宅ローンの金利には3つのタイプがあります。
固定金利型
固定金利型は返済開始当初から完済まで金利が確定していて変わらないタイプです。市場金利が変動した場合でも金利の見直しはありません。そのため返済額も変動しないので家計管理がしやすいのが特徴です。
ただし固定金利型は他の金利タイプと比較して金利は高くなっています。
変動金利型
変動金利型は返済期間中に定期的に金利が見直されるローンをいいます。市場金利が上がれば住宅ローン金利も上がり、市場金利が下落すれば住宅ローン金利も下がります。
変動金利型は原則として半年ごとに金利が見直されますが、元金の返済額と利息額を調整するため返済額は5年間変わりません。
また5年毎の返済額の見直しのとき金利が上昇して返済額が上昇する場合でも、それまでの返済額の1.25倍までに抑えるという25%ルールがあります。(例外もあります)
固定金利期間選択型
選択型は返済開始当初の一定期間3年、5年、10年などの固定金利期間を選択することができ、期間終了後に再び金利タイプを選択する商品です。
選択できる期間のラインナップは金融機関によって異なります。
特に選択しなければ変動金利型に移行します。
2.フラット35の種類
フラット35とは
民間金融機関と独立行政法人住宅金融支援機構(以下「機構」)が提携して提供する住宅ローンで、最長35年間金利が固定され変わりません。金利や事務手数料・必要書類などは取扱金融機関によって異なります。
フラット35を利用するためには、住宅が機構の定める技術基準に適合していることが条件となります。
そのため建築士などの資格者による住宅の検査を受ける必要があり、その結果「適合」と判断された場合に発行される「適合証明書」が必要になります。
フラット35S
フラット35には、省エネルギー性や耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性のいずれかの性能で、より高い技術基準を満たす住宅について金利引下げが受けられるフラット35Sがあります。
金利引下げはAプランの技術基準を満たした住宅は返済開始当初10年間、Bプランの技術基準を満たした住宅では5年間引下げを受けることができます。
ダブルフラット
フラット35には返済期間を「15年以上20年以下」を選択した場合、通常のフラット35より金利が低くなるフラット20という商品があります。
フラット35とフラット20を2本立てで組み合わせるダブルフラットも可能です。ライフプランを考慮してお子様の教育費の負担が大きくなる時期に返済が減るように設定することもできます。
3.住宅ローンの返済方法
住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。
元利均等返済
元金返済額と利息の合計額が毎回同じ額になる方式です。返済額が一定なので家計管理がしやすいのが特徴です。
元利均等返済では返済開始当初は利息の返済の割合が大きく、返済が進むにつれて徐々にその割合が減っていきます。同じ額を借入れた場合、あとで説明する元金均等返済より総返済額は大きくなります。
元金均等返済
返済額のうち元金の返済額が毎回同額になる返済方法です。最初の返済は元金全額に利息がかかるので第1回目の返済額がもっとも大きく、返済が進むにつれて返済額が減っていきます。
同じ額を借入れた場合、元利均等返済より総返済額は少なくなりますが、最初の返済額が大きいため希望する借入額が借りられないこともあるデメリットがあります。
4.住宅ローンの選び方
返済期間や金利、返済方法など様々なポイントから自分に合ったものを選ぶ
住宅ローンの返済期間は、遅くとも定年退職までには住宅ローンの返済を終えるように設定するのが望ましいと考えます。退職後の長い人生をゆとりを持って過ごすために必要なことだと思います。
この時期までに返済を終えるために、将来の収入のシミュレーションを行って金利や返済方法、借入額などを総合的に検討して借入れ先を決めましょう。
ライフプランを検討した住宅ローン選び
住宅ローンを利用すると長い返済期間にわたって毎月返済を続けることになります。借入れる際には家計のシミュレーションを作成して自分に合ったリーン商品を選びましょう。
最近は多様な住宅ローン商品が登場していますし、手軽にネットや書籍で多くの情報を得ることもできます。できるだけ多くの商品を比較検討して、自分にもっとも合うと思える商品を選ぶことができます。