管理組合が大規模修繕の見積もりを複数の工事業者に依頼することは当然だと思いますが、残念ながらそれが公正に行われるという保証がないということを書いてきました。
仮にX社が落札したとしても、管理会社やコンサルタントなどから「今回は下りてくれませんか。今回をご縁にうちに取引口座を開設していただければ、今後他のマンションの仕事を回しますよ。」などと言われれば、そちらの方になびくこともあります。
管理組合からの大規模修繕の仕事は一過性のもので、次回以降も受注が取れる保証はありませんが、管理会社やコンサルタントからは継続的に仕事がもらえる可能性が高いので、今回は引き下がった方が良いと判断するのはビジネスとして当然だと思います。
見積もり依頼は管理組合あるいは区分所有者と余程親密な関係でなければ、公正な見積もりは期待できないと思いますが、親密であると逆に「あなたは工事業者からリベートをもらっているのではないですか?」などと疑われることになります。
このように相見積もり自体が不透明な形で実施される可能性が高いことを管理組合は理解しておく必要があります。