管理会社やコンサルタントが大規模修繕工事の相見積もりを取ることは管理組合も歓迎すると思いますが、そのやり方には十分注意する必要があります。
前回書いたとおり高いハードルを設けたことで、見積もりに参加できる建設会社は限られてしまいます。
この段階で管理会社やコンサルタントはX社・Y社・Z社の3社が見積もり参加企業だとわかります。顔見知りの企業ばかりになることもあります。
そこでとりあえず通常の見積もりを出させ、仮にX社が一番良い条件を出したとするとX社に工事を依頼します。
この見積もりにはすでに管理会社やコンサルタントへの紹介料が含まれていることがあります。(顔見知りですからどんなことでもできます)
あるいは3社に対して「今回はX社で行くのでY社・Z社は高い見積もりを出してください。」と調整していることもあります。
特命入札制度であれば元請となるC社は、X社が受注することが決まった後に引き交渉して、下がった部分を自社の利益にしてしまうことも容易にできます。
つまり相見積もりは透明性が高いと思われると思いますが、実はすでに仕組まれた中で行われる儀式に過ぎないのです。
管理組合はそんな実態を知らないので、公正な相見積もりでX社が落札したと思い込むのです。