ときどき不動産業者さんや建築業者さんから「住宅ローンが通らない人がいるけど何とかなりませんか?」という相談をいただきます。
確認するとほとんどの場合1行申し込んでだめで2行目もだめ、3行目もだめと複数行に申し込んでから相談に来ています。
元々無理なローン申し込みならわかりますが、行けると判断した人でこのような対応をするは時間の無駄だけでなく、融資否認は甲仕込み者の全人格を否定されたような気持になるので精神的苦痛の方が気になります。
ここは1行目がダメなら、その原因を推測して対応した上で2行目を申し込む必要があります。
現在銀行がおこなっている住宅ローン審査の手法は複数ありますが、大きく分けると3つ。
ツリー分析:機械的に項目に対してイエス・ノーを判定し最後まで残ると融資可となる方法です。この方法ではどこかでノー判定が出るとその時点で融資不可になります。
スコアリング:審査項目ごとに点数を付けて総得点がクリアすれば融資可となる方法です。これなら1項目ノー判定が出ても、他の項目の点数でカバーできれば融資可になります。
住宅金融支援機構のフラット35はこの手法を採っているので通りやすいと言われていますが、通りやすいのではなくそもそも審査方法が異なるのです。
アナログ審査:正式な名称ではありませんが、私はアナログ審査と呼んでいます。担当者が鉛筆なめなめ「この人なら大丈夫!」という稟議書を書くのです。この方法を採っている金融機関は少数派ですが、前2手法に比較して通らない人も通る可能性が出てきます。
本来ならツリーがだめならスコアリング、スコアリングでもだめならアナログというように申し込むのですが、不動産業者さん・建築業者さんはそんなことをご存じないのでツリー・ツリー・ツリーと申し込んでダメでしたとなるのです。
ということで今月19日(水)は愛知県不動産コンサルティング協議会様からお声がけいただき、研修会でこのあたりのお話をさせていただくことになりました。
不動産コンサルティングマスター登録者(宅建取引士で一定の実務経験がある人が受験できる資格)の方のみの参加になります。残り席があるかどうかはわかりませんが、協議会にご確認ください。