住宅の新築中に、お施主様の依頼で第三者検査をすることがありますが、それに対して建築会社からは「法律で決まっている検査があるので、自費で第三者検査を入れる必要はないと思いますよ。」という意見が出ます。
形のうえではその通りですが、ではその「法律で決められた検査」とはどのようなものでしょう?
通常、建築会社が建築確認申請をする指定確認検査機関から検査員がやってきて、中間検査や完了検査をします。
その費用はお施主様から建築会社に必要経費として払われています。
検査員は時期にもよりますが、1日で複数現場を回っています。したがって1現場にいる時間は、短い場合15分程度のこともあります。
以上が「決まっている検査」ですが、ポイントを整理します。
1.お施主様は検査機関を選ぶことができません。
2.検査費用はお施主様が払っていますが、検査機関には建築会社から支払われます。つまり検査機関にとってのお客様は建築会社になるということです。
実際年間100棟以上検査を出してくれる建築会社になると、逃がせないお得意様になるため、検査を少し甘くしていたと証言する検査員がいたことは、以前このブログでも取り上げました。
3.法律で決められた検査ですので、他の現場も多くあり、特定のお施主様の現場だけを重点的に検査することができません。
このようなでデリットがあるので、そこを補完するために第三者検査を入れる意味はあると思います。
1.第三者検査会社は、お施主様が選んで依頼します。
2.お施主様が検査会社に費用を払うので、検査会社にとってのお客様はお施主様ということになります。(検査はお施主様の側に立って行います)
3.第三者検査は民間の検査会社ですので、お施主様の現場だけのために時間を確保して検査することができます。15分で終わることは絶対にありません。
結果として、法定の検査が終わった後に弊社の第三者検査が入るのですが、手直しの指摘を出すことが多いです。(指摘を出さなかった方が少ないです)
以上の内容に意味があるとお考えいただき、より良い住宅を建てたいと思っていただけるのでしたら、第三者検査を入れることをお勧めしたいと思います。