先日(8月13日)鉄骨造の住宅はパチパチと音が鳴ることがあると書きましたが、もう1つ鉄骨造の弱点を。
鉄骨造の住宅を推すある建築士さんが書いた本の中に、「鉄骨造の住宅は火災に強い。この点は木造はかなわない。」という記述がありました。
厳密に言うとこれは誤りです。
鉄骨造の住宅で火災が発生すると、火によって鉄が熱せられ変形してしまいます。工場など鉄骨造の建物が燃えた映像をご覧になるとわかりますが、可愛そうなほどグニャグニャになっているのを目撃します。
この弱点を補うために、耐火ボードなどで鉄骨部分を覆いますが、それでもすべてを完全に保護することはできません。
鉄骨造は文字通り柱や梁などの構造体を鉄にしている訳ですから、どこか1か所でも変形してしまうと家全体を見直す必要が出て来てしまいます。
この点は十分ご理解いただきたいと思います。
私は鉄骨造のハウスメーカーに勤務していましたが、その間2軒の火災に遭遇しました。
上記の弱点はメリットにもなります。
係の者が「鉄骨の柱が1箇所でも変形していれば、全体を建て替えないと構造上保証ができない。」と保険会社に説明したところ、一部しか燃えていないにもかかわらず、全焼扱いにしていただくことができました。
この点「鉄骨造は火災に強い。」とういうことになるのかも知れませんね。