ここのところ住宅を新築したり購入したとき、引き渡し時に受け取る書類は大切に保管しておいてくださいという話を書いています。
特に建築確認申請書と検査済証は大切です。「今からこのような建物を建てたいと考えていますが、よろしいでしょうか?」と申請するのに対して、「申請された建物は適法なので、どうぞ新築してください。」と確認したものが確認済証です。(申請書と済証は同じ書類になります)
さらに建築が完了して、「申請通りに建築しましたので検査してください。」と申し出て検査してもらい、「確かに問題なく建築されています。」とお墨付きをもらうのが検査済証です。
これらが揃っていれば、中古住宅になっても、おおむね問題なく新築された建物だとわかります。
しかしこれで十分かというと、そうでもありません。
建築は建築途中でも法に抵触しない範囲で変更することがあります。
変更すれば当然設計図も変更されると思われると思いますが、現実はいちいち変更することはほとんどありません。
結果として完成した住宅と設計図が異なっていることも珍しくありません。
公共工事なら変更した箇所も図面に反映して、完成時の状態がどうなっているか「竣工図面」が出てきますが、一般的な住宅で竣工図が出ることはほぼありません。
したがって私たちが中古住宅を検査に行くと、増改築していないのに現状がいただいた図面と違うことがよくあります。扉の位置が違う、収納がなくなっている、壁がないなどです。
そこでお願いですが、もし可能なら建築確認申請から変更になった箇所があるのなら、その部分を図面に反映してもらって、竣工図面を出してもらってほしいと思います。