この4月1日から120年ぶりに改正された民法が施行されます。劇的に変更される訳ではありませんが、不動産取引については注意が必要な点があります。
不動産を購入した後に、その不動産に何かしらの瑕疵(カシ:隠れた欠陥)があった場合、その責任をだれが負うのかは大きな問題です。
不動産業者が売主の場合は、引き渡しから2年以上で定めることになっています。また新築住宅の建物部分は引き渡しから10年業者が負うことになっています。
現在の民法では「瑕疵を発見したときから1年以内に損害賠償や契約解除の請求をする」こととなっています。
しかし一般の個人や法人が売主の場合は、長期間にわたって責任を負わせるのは妥当ではないということで、通常「引き渡しから2~3ヶ月間は売主の責任」としている契約書が多いようですし、「売主は一切責任を負わない。」という特約も有効とされています。
改正民法では「瑕疵」という用語を「契約不適合」と読み替えたうえで、買主の請求権を広く認めるようになり、より契約内容が重視されるようになります。
ということは売主や不動産業者にとっては、今まで以上に慎重に対象不動産について買主に説明しなければならなくなる訳です。
もちろん「売主は一切責任を負わない。」とか「売主は雨漏れだけは責任を負う。」という特約は今まで通り認められます。
となると売主や不動産業者は安易に「責任を負わない。」という特約を使うのではないかと懸念されます。
そこで4月以降に不動産の売買契約をされる方は、事前に契約書のひな型を取り寄せて、契約不適合責任をどの程度認めてくれる契約書になっているかを確認しておくことが必要になります。
同じ不動産を購入するにも、A不動産会社の仲介で契約するのとB社で契約するのでは、内容が大きく異なる可能性があるということです。お気を付けください。