今までに弊社住宅相談センターに寄せられた家づくりに関するトラブル事例をアトランダムにご紹介しています。
住宅を商品と呼んで良いかどうか難しいところですが、ハウスメーカーなどそう呼んでいます。
住宅も車やパソコンと同じようにモデルチェンジしたり、まったく新しい商品を発売して消費を喚起します。その際、ハウスメーカーはその商品の性能などを確認するために試行棟を建て一定期間品質等の確認をし、そのうえでお客様向けに販売を始めます。
しかし一定期間と言っても1年という単位ではありません。せいぜい1ヶ月程度。
住宅は一度建てたら数十年利用されるものです。その長期間にわたる性能のチェックが1ヶ月程度で行われるとはいかがでしょうか?
ただ何十年もチェックしていたら他社に先を越されるし売り上げが見込めません。結局新商品として数か月後には発売されるのです。
お客様はこの「新商品」に意外に弱いらしく、できることなら自分の家が新商品第1号になりたいなどと思って建てられる方もいらっしゃいます。弊社住宅相談センターで中古住宅を検査に行くことがありますが、所有者さんから「この住宅は◯◯ハウスが発売した◯◯シリーズ第1号だ。」などと胸を張っておっしゃる方も多く見られます。
しかし家だけでなくどのような商品でも新商品には不具合がつきものです。お住まいになった後にいろいろトラブルが出るのが実情です。
これは住宅本体だけではありません。住宅設備や外装材・断熱材なども新商品とはそういうものなのです。弊社が拝見した現場でも「日本初の~」・「東海地区第1号の~」という現場で、完成後のトラブルになっている例は多いのです。
これは地元工務店の現場に限りません。数年前にはある大手ハウスメーカーで見栄えが大変美しく好評だった外壁材がありましたが、トラブルが多数発生したため1年程度で販売中止になった例もあります。
普通の商品なら返品・取り換えができますが、住宅はそう簡単にはいきません。できることなら発売後数年以上は経過して実績のある部材・商品を採用されることをお勧めします。
ちなみにアメリカ人は新しい住宅は「建ったばかりで信用できない。10年20年建っている中古住宅の方が信用できる。」という考え方です。