住宅の省エネ性・断熱性の研究を専門としている名城大学建築学部の吉永美香教授の話を聴きました。
教授の調査では、住宅性能仕様書(旧住宅金融公庫刊)に初めて「断熱性」という言葉が登場したのは1970年。
「断熱工事」という項目がなく「その他雑工事」の項目に出たそうです。
1975年には「防湿シートを室内側に設けること」という規定になり、最近「外部側に通気層を設けること」となったとのこと。
つまり断熱材を施したら結露が発生したので、防湿シートが必要とわかった。
防湿シートを施したら、今度は外部に夏型結露が発生したので、外部に防湿シートを貼るわけにはいかないので通気層を設けることとした。
このような流れで日進月歩してきたということです。
さて果たして現状の施工方法で今後何の問題も出ないのでしょうか?
教授としては通気層だけでなく、外部には「可変透湿シート」を施すことを推奨するとのこと。
ただし商品としてまだ一般的でなく、実験したところメーカーによって効果が異なったので、メーカーに確認したうえで施工するのが望ましいとのことでした。
