「売主2名の共有になっている土地を購入するけど、売買契約の場に1人が出席できないとのこと。大丈夫でしょうか?」という相談。
土地の売主が共有であった場合、共有者全員が売却に賛同して署名押印する必要があります。
仮に共有者の1人(売主A)が出席しなかった場合、よくあるのは「売主Aの代理人売主B」として、その場に来ているBが署名捺印します。
しかしこの売主Bは果たして本当にAの代理人なのでしょうか?「自称」代理人かも知れません。
仮に自称代理人であって正式に代理権を持っていなかった場合(これを法律上「無権代理」といいます)、あとでAが「私は売るつもりはありません」と言い出すと契約は取消されます。
※「無権代理人が行った契約は、原則、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。」(民法第115条)
従ってBが正しい代理人とするために、最低限Aの印鑑証明書付の委任状や本人確認書類をBが提示する必要があります。
しかし実際の取引現場では、ほとんどそういうことは行われていません。
なぜなら仲介業者が売主に面談して確認しているはずで、余程のことがない限り取消になるようなことはないと考えられているからです。
しかし万に一でもそのようなことがあるといけませんので、買主としては最低限委任状や本人確認書類の提示を受けてBが代理人であることを確認してから署名捺印するようにしましょう。