マンションの大規模修繕には多額の費用が必要になりますが、多くのマンションで不足するという国土交通省の調査結果も発表されています。
その理由は・・・
1.マンションの理事会運営が年代わりの理事による運営で責任が明確でなく、引継ぎも十分ではない。
2.長期修繕計画が正確でないこと。あるいは計画自体が更新されていないこと。
3.修繕積立金の値上げが容易でないこと。
などが挙げられます。
特に2はみなさんあまり関心がないようなので、いざ工事!となったときに積立金額の不足に気づくというのが実情ではないでしょうか?
長期修繕計画は毎年見直す必要があります。
まずは前回の工事金額と工事個所を確認して、それをベースに物価上昇率を考慮して実施予定年の工事金額を推定しましょう。
そして直前の大規模修繕が終わった後7年目あたりに建物検査を実施し、7~8年後に修繕が必要になる箇所とすぐには修繕不要な箇所に分けて計画を作成し直し、それに従った工事金額を推定すると良いでしょう。
従来なら「だいたい一戸あたり100万円も見ておけば大丈夫だよね」程度で推定していた金額がより正確に算出できると思います。
そしてその工事代金は現在の積立金で賄えるのか?
早めに賄えないことがわかれば、値上げ額も小幅で済むはずです。
逆に確認するのが遅れれば遅れるほど、値上げ幅が大きくなるということです。
100戸のマンションで不足額が1,000万円になる場合、3年前に気づくのと6年前に気づくのでは・・・
3年前:1,000万円÷36月÷100戸=2,777円/月・戸当たり
6年前:1,000万円÷72ヶ月÷100戸=1,388円/月・戸当たり
当たり前ですが、どちらが値上げし易いかお分かりのことと思います。