40年や50年などの長期返済の住宅ローンを利用する人が増えています。
35歳で家を手に入れるとすると75歳(50年返済なら85歳)まで返済が続くことになります。
これについて「途中で繰り上げ返済すれば、定年退職までに返済できます」というセールストークを使う営業がいます。
そしてお客様も「そうですね」で納得されるようです。
しかし日頃FPとして家計の分析をしている立場からすると、なぜそのお客様が繰り上げ返済できる人だとわかるのか?と質問したいです。
繰り上げ返済とは、手元の余裕資金を使って通常の返済より早く住宅ローンを返済することです。
この「手元の余裕資金」というのが問題になります。
FPの世界では、家計の金融資産を①生活必要資金、②使用予定資金、③余裕資金の3つに分類します。
生活必要資金は食費とか被服費など日常の生活を回すのに必要な資金です。これがないと生活できません。
使用予定資金は将来使う予定で貯めてある資金で、お子様の学費や住宅のリフォーム費用、車の買い換え、もっと長く考えると老後生活費も含められるでしょう。
余裕資金は、上記のいずれでもなく極端な話株式投資に使って大暴落しても生きて行くのに支障がない資金です。
住宅ローンの繰り上げ返済はこの余裕資金でするものです。
手元にある金融資産が余裕資金かどうかは、家計のシミュレーションを作成しないと判断できないはずです。
逆に言うと家計のシミュレーションを作成すると、繰り上げ返済できる人とできない人が明確に判断できるのです。
さらに何歳のとき、いくら繰り上げ返済しても良いかまでわかります。
これをしないで繰り上げ返済すると、学費が要るときに貯蓄がないことになり、住宅ローンより金利が高い教育ローンを利用するという笑えない「繰り上げ返済貧乏」になってしまいます。
40年、50年返済だけでなく、将来まで返済が続く住宅ローンの利用に当たっては、必ず家計のシミュレーションを作成して借入額だけでなく返済期間に問題がないか確認されることをお勧めします。
