自然災害が大規模化するに連れて、住まい選びに防災性を基準にされる方が増えています。
弊社のご相談者のお話を聞いている限り、一戸建てと比較してマンションの方が防災性が高いとお考えになる方が多いように思います。
果たしてどうでしょう?
ここに九都県市首脳会議がマンションの防災性に関して、令和5年11月に岸田総理など関係大臣に提出した『マンションにおける防災力の向上について』という提案書があります。
それによると大規模災害時にマンションで強化する必要があると思われる項目として・・・
・浸水による発電停止
・トイレ機能の停止
・エレベーター停止
・地縁による共助促進
が挙げられています。
3目まではわかりますが、4つ目は何でしょう?
原文をそのまま書くと・・・災害時の共助を促進するため、マンション内及び地縁による団体等の地域コミュニティとのつながり形成に資する支援を強化すること。
災害時には「寄り添う」とか「共助」という言葉がよく聞かれますが、都心のマンションにおいては、日常生活で隣の部屋の人をはじめ他の入居者の方と接することはほとんどありません。
これでは、いざと言うときに助け合うことなどできないので、被害が大きくなると危惧しているわけです。
これには管理組合活動の活性化が必要ですが、近年では自分達で管理しないで管理会社や専門家に任せる第三者管理が好まれていると聞きます。
また所有者も投資家が増えており、近所に住んでいる訳でもないし、災害があっても自分事ではない。
入居者も賃貸で住んでいる人も多く、日本語がわからない外国人も多い。
これでは万一のときの共助は期待できません。
マンションとは、知らない人が一つの建物の中に多数で住む形です。
無関心が災害時の一番の障害になると懸念します。