最近の住宅は省エネのために高気密・高断熱を基本性能としていますが、それによって思わぬトラブルが増えています。
施主様・建築会社双方から相談があるのが、室内に結露やカビが生じたという相談です。
高気密ですから当然隙間がない住宅になります。
昔の日本家屋なら「夏を旨として」造っているので隙間だらけ。いくら高温多湿な日本とは言えカビが発生することはありませんでした。
一方高気密住宅は当然室内の湿気の行き場がなくなるため、一定のところに滞留すればカビを発生させることになります。
これを防止するためには、空気の流れを確保する必要があります。
例えば本来の目的とは異なりますが、24時間換気扇をその機能通りに24時間作動させておけば多少の解決になります。
しかし「寝る時うるさい」とか「冷たい空気が入って来る」という理由で遮断している家が多い。
それではその代わりとなる対策をしているかと言えば何もしていない。
これではカビにとって絶好の環境になってしまいます。
一方の建築会社もセールストークで「うちの家は絶対に結露はしません」などと言っているものですからトラブルになるのも無理はありません。
本来なら入居後に配慮するべきこととして・・・
1.換気を確保する
2.24時間換気扇は24時間作動させること
3.室内に洗濯物など湿気のあるものを置かない
4.石油ストーブやガスコンロを多用しない
5.風呂の湯は必ず抜くか、保存する場合は換気扇を回しておく
6.定期的に換気する
などを冊子などにして配布するべきです。
いずれにしてもカビ・結露トラブルは双方の誤解によって生じるため、当事者同士での解決が不能ということで弊社に相談が来るのですが、仲裁することはできても根本的な解決はできません。