2018年、東京都心を舞台にして大手ハウスメーカー積水ハウスが詐欺に遭った事件を題材にしたネットフリックスのドラマ『地面師たち』が好調のようです。
他人の土地を自分が売主と偽って、多額の売買代金を騙し取る人を『地面師』と言います。
一般的な不動産の売買では、司法書士が売主が確かに本人であることを確認すると、売主は委任状に実印を押し署名するとともに印鑑証明書を渡します。
さらに売主本人が持っているはずの登記済権利証(最近は「登記識別情報」)と合わせて、司法書士が法務局(登記所)に提出して受理されると、所有権が売主から買主に移転します。
ところが今回の事件では、提出された書類が巧妙に偽造されており誰も気づかなかったとのこと。
このような詐欺行為は、決して大きな不動産だけで起こるものではありません。
みなさんが購入する不動産でも十分起こり得ることです。
この詐欺行為を回避するためには、日頃から書類のチェックや本人確認を励行しておく必要があります。
しかし最近の売買契約の場では運転免許証による本人確認程度は行われますが、権利証(登記識別情報)やそれ以外の書類の確認はほとんど行われていません。
私が不動産業界に入った頃は、先輩各氏から「本人確認は徹底的にやれ」と教えられたものですが、最近は手薄です。
詐欺行為は日常茶飯事発生するものではありませんが、忘れたころにやって来るものですから、凡事徹底、慎重の上に慎重に確認する必要があります。
弊社住宅相談センターでは、売買契約時の確認業務を行っています。取引の安全のためにご利用ください。