能登半島地震の影響か住宅の耐震診断に関する問い合わせが増えています。
現在のご自宅だけでなく、購入しようとお考えの既存(中古)住宅についても相談があります。
ここで耐震診断について整理しておきたいと思います。
1.まず鉄筋コンクリート造・鉄骨造の場合は、構造計算が必要になりますので、25~35万円程度(面積によって異なります)の費用が必要になりますし、設計図書がないとできません。
2.木造住宅の場合、旧耐震基準=1981年(昭和56年)5月31日以前の建築確認であれば、耐震診断の費用は自治体が負担してくれます。
診断後の耐震設計や改修工事費には補助金が出る場合がありますが、費用全体のごく一部しか出ません。
一般に耐震改修工事をしようとすると、数百万円以上かかることがほとんどです。
3.新耐震基準=1981年6月1日以降の建築確認の場合、耐震診断や改修工事の補助金はありません。(自治体にお問い合わせください)
4.新耐震基準であったとしても、2000年(平成12年)6月1日以降に阪神淡路大震災を受けて木造住宅の耐震基準が強化されたので、それ以前の住宅は耐震診断をしても1.0(倒壊しないとされる基準値)には届かないことが多いです。
弊社のお客様で今月診断された方は、平成8年新築で0.38しか出ませんでした。
5.2000年(平成12年)6月1日以降の建築確認(新新耐震基準)の場合、おおむね1.0になると思われますが、これも設計図書が揃っていることと劣化事象がないことが要件になります。
以上概略をお話ししましたが、この点をご理解いただいたうえで耐震診断をされることをお勧めします。