本当に耐震性能が高い家がほしいという相談がありました。

耐震性能だけでなく、断熱性・バリアフリー性など実際に性能が高い家がほしいという場合、３つのことに注意する必要があります。

１つ目は、ハウスメーカー・工務店がPRする理論上の性能です。

例えば耐震性なら「実物大耐震実験で何ガルの揺れに耐えました」という、あの性能やパンフレットに書かれている理論上の性能です。

これは実験の前提条件が異なりますし、ご自身の家が実験で使われるわけではないので、各社を単純に比較するのは危険です。あくまで参考としましょう。

２つ目は、設計された家の住宅性能表示上の性能です。

国が決めた住宅性能表示という制度があり、これはすべての建築会社に適用されるので、数値を比較して一目で性能がわかります。

まず設計段階でこの評価を取ると設計性能評価書が発行されます。

例えば耐震性なら１等級から３等級まであり、３等級が最も高い性能になります。

３つ目は施工による性能です。

住宅性能表示の設計性能評価で耐震性能３等級を取っていたとしても、現場の工事が設計図通りにされなければ、２等級、１等級になってしまうことがあるので、施工中の検査も行って設計図通りになっていれば建設性能評価書が発行されます。

弊社の場合、建築中の第三者現場検査を行っていますが、設計図通りになっていない現場はみなさんが思っているより多いのです。

是非建設性能評価書まで発行できるように手続きしたうえで、更に建築中の第三者検査を入れておけば、耐震性能高い住宅が完成すると思います。

なお設計性能評価書だけ発行を受けて、建設性能評価書の発行を受けないハウスメーカーがありますが、この場合「耐震等級３等級相当」という表示をしています。

設計上は３等級でも施工現場が評価されないので、完成した住宅が１００％３等級になっているとは言えません。「相当」には注意しましょう。