マンションの管理組合の理事会業務を専門家である管理会社に委託することを第三者管理方式と言います。
この方式を採用すると、区分所有者は管理組合の理事にならなくて済むというメリットがありますが、逆にデメリットもあります。
第三者管理では日常の修繕や大規模修繕工事をするときに、特命入札方式で業者を選定することが多いようです。
この特命入札方式とは、第三者管理を請け負う管理会社が、何社かの候補業者を選んで入札させ、その中から最も適した業者に工事を発注する方式です。
この方式を採用すると、区分所有者や理事さんは候補の業者探しに奔走する必要もなく、入札実務をする必要もありません。
しかし「管理会社が入札を依頼した業者」は管理会社の息がかかった業者であることは間違いなく、また詳しい入札内容も公開されないので、どのような経緯でその業者が落札したかがわかりません。
第三者管理をしている管理会社は「管理のプロである管理会社が選んだ複数の業者が入札しているので安心だし、価格だけではなく品質や実績を考慮して指名するので、理事会がやるより良い業者が受注する。」と言います。
しかし私が知る事例では、管理会社に多額の紹介料を払ったり、中には管理会社のグループ会社が受注したケースもあり、一般的な工事価格より30%も高くなっていることが多いように思います。
このように第三者管理を管理会社が請け負うとコスト面で相当不利になることは間違いありません。
管理費や修繕積立金が不足したら、いくらでも値上げすればよいというマンションなら問題ありませんが、多くのマンションではそういう訳にはいきません。
第三者管理はメリットも多いですが、デメリットの方が大きいというのが個人的な考えです。