30年ほど前に競売で安く購入した住宅だが、今は空き家になっており使うあてもないので売りたいという相談。
登記簿と固定資産税の納付書を持参いただいたのですが・・・
1.敷地内に2棟ある住宅のうち1棟の名義人がご相談者とは別人のものになっています。競売にかかった土地の所有者のお身内のようです。
2.その建物の登記上の面積・構造と、固定資産税の納付書にある面積・構造が一致しません。どうも登記上の建物は競売の時にはすでに存在せず、登記が残ったまま購入してしまったようです。
3.そのうえお身内の方は登記しないで新しく住宅を建てたようです。その住宅と固定資産税の納付書にある建物は一致します。競売で購入したのはこの建物です。
整理すると、競売で購入した敷地と建物のほかに、登記されたお身内の現存しない建物とその方が建てた未登記の建物がある、そういう状態です。
ご本人はそんなことは露知らず、今まで何事もなく住んでいたということです。
競売物件はこのようなことが起こるので、ただ安いと言うだけ買うのは危険です。専門家に十分調査してもらってから入札に参加しましょう。
今回のご相談は、
①まずは存在しない建物の滅失登記をする。
②幸いなことに未登記の建物は使えそうもないので、売買が成立すれば解体されるものと思われます。母屋と合わせて解体費の見積もりを取ることをお勧めしました。
③土地価格の査定をする。
この物件は母屋が大変立派なので、土地代金で解体費が賄えるか心配です。
という回答で終わりました。