新築建売住宅を購入されるお客様からの依頼で、重要事項説明書を確認しました。翌日契約ということなので急ぎの対応です。
最近の建売住宅の重要事項説明書には、最後の特記事項のところに売主業者の「言い訳」とも言える「容認事項」が山のように並んでいます。
容認事項とは「ちゃんと説明しておいたから後でクレームを言わないでね」という項目です。
1例を挙げると「この建物は完成時にクリーニングをしましたが、その後人が入ったりしたことで多少の汚れがあります。お引き渡しまでに再度クリーニングすることがないことをご承知おきください。」などというものです。
今回の説明書は、このような容認事項が42項目もありました。
その中で「電気配線を通すために、やむを得ず梁成を貫通して穴を開けている場合があります。」と書かれていました。
梁とは柱と柱を固定し上部の柱などを乗せる横架材のことを言います。
梁は重要な構造体なので欠損したり穴が貫通していてはいけません。
確かに現場では梁を貫通しなければ電線を設置することができないケースがあり、一定の条件下で穴を開けることがあります。
条件とは穴の口径と穴の間隔です。
この条文ですと、特に穴の口径や間隔を書いていないので、最悪の場合規定にない口径や間隔で配線されていることもあり得ます。
こうなると欠陥住宅と言えます。
これは困ったと思い電気設備図を見せていただきましたが、通常図面には貫通部分は描いてありません。
仮に描いてあったとしても、現場がその通り施工しているとは限らないので心配です。
つまり「この住宅は、もしかしたら欠陥住宅になっているかも知れませんが容認してね」と書いてあるということです。
このようなことを売買契約当日に説明されても困るので、やはり事前に取り寄せて読んでおくことが必要です。