現在の法律では、新築住宅の売主や建築会社の保証期間は、引き渡しの日から１０年となっています。

保証の対象は①構造上主要な部分の劣化等と②雨水の浸入に関する部分に限られています。

不動産会社やハウスメーカーの中にはこの保証期間を２０年、３０年などに延長するサービスを提供しているところがあります。

住宅展示場で「当社は３０年保証」などと表示していると、つい話を聞きたくなります。

しかし保証期間の延長を無条件でしてくれる会社はありません。

小さな文字で「１０年目に無料点検を実施します。」と書いてあり、ここまでは確かに無料。

「点検の結果、指摘された箇所を補修工事した場合に限り、さらに１０年間延長します。」となっています。

この工事の見積額は、弊社住宅相談センターに相談があったケースで見ると、一般的な戸建てで安い場合２００万円、多くのケースで３００万円程度です。

新築時に住宅ローンを利用して購入するのが精一杯という入居者にとって、この金額は大変厳しい額です。

仮にこの補修を行わなかった場合、保証は終了します。

多くの住宅で、入居後に問題になるのは雨漏れです。最初の１０年で漏れるケースはないことはありませんが少数派です。

多くの場合１０年を超えてから漏って来るので、保証の１０年間延長は大変ありがたい。

そこで補修費と保証の安心感を天秤にかけて迷うことになります。

メンテナンスフリーの住宅はありませんから補修は必ず必要になりますが、このあたり購入時・新築時に営業担当から詳しく説明を受けていない方が多いので注意が必要です。

住宅購入・新築時には将来の補修費を含めた資金計画が必要です。