最近50歳代、60歳代のご相談が増えています。多くは老後資金が不足しそうだが何か対策はないかというものです。
住宅金融支援機構発行の『季報住宅金融』の2023年夏号に、『高齢者の住環境改善の阻害要因等の分析』というレポートがあります。
機構が令和4年に住まいの課題を解決するために、実際に住み替えやリフォームを「した人」と「しない人」計771名に行ったアンケート調査結果です。
住み替えをしない理由は・・・
1位 老後の資金に取っておきたいため
2位 近隣の施設や環境が気に入っているため
3位 住み替えの資金が不足しているため
となっています。
また同じ『住宅金融』の『高齢者の住まいの選択の阻害要因』という上山仁恵名古屋学院大学教授の論文では・・・
住み替えやリフォームをした世帯としなかった世帯の貯蓄額の比較で、2000万円以下の場合、老後資金不足や住み替え資金不足で「しなかった」世帯が多かったという結果が書かれています。
本来ライフプランの変更に伴う住宅の住み替えやリフォームのための費用は、住宅を最初に購入するときにある程度盛り込んで検討するべきだと考えますし、弊社住宅相談センターで家計のシミュレーションをする時は必ず含めています。
しかし多くの場合、まずは住宅・マンションを購入するのに必要な資金計画を目一杯組んでしまうので、将来の資金が不足してきます。
また住宅の資金だけでなく、老後資金が不足する問題は、私たちFPは20年以上前から家計のシミュレーションをしているので、こうなることを分かっていました。
また国会でも「老後資金2000万円不足問題」として取り上げられたので、ご存じ方も多いと思います。
以上を踏まえて、まず住宅・マンションを購入するときには将来の家計のシミュレーションを作って確認しましょう。
次に購入後の維持管理にかかる費用や住み替え・リフォームにかかる費用を出すときにもシミュレーションし直しましょう。
最後に50歳になったら、老後の家計をシミュレーションしましょう。
つまりライフプランが変わるときには、FPに家計のシミュレーションを作ってもらって確認する必要があるということです。
楽しい人生、最期まで楽しく過ごせるようにしたいものです。