家づくりで見た目を重視して設計する建築士さんを、仮に「デザイナーズ系建築士」と呼ぶとします。
施工事例を見るとおしゃれな外観、内装、インテリアなので憬れる方も多いと思います。
家づくりのアドバイスをしたり、建築中の建物の施工状況を拝見している立場からすると、デザイナーズ系建築士さんが設計した住宅は心配になる点が多いというのが私の印象です。
例えば、壁紙を選ぶとき「不燃クロスでもOKですよ。」と気楽に言うのがデザイナーズ系の先生ですが、不燃クロスを貼る職人からすると、こんなの選ぶなよと言いたいでしょう。
施工が難しく、仕上がりにお客様は納得せずクレームになることが多いのです。
クレームになった場合、先生は「ちゃんと図面に明記してあるし、仕上げが悪いには職人の腕が悪いからだ」と主張されると思います。
私の知る限り、デザーナーズ系建築士さんは現場監理に出てくることはほとんどないので、職人の腕が悪くて仕上げが悪くなったかどうか知ることはありません。
どんなに腕が良い職人が施工しても、この仕上げが一杯一杯ということがあるのをご存じないのです。
デザイナーズ系建築士さんに設計を依頼するときは、現場監理をやっている先生かどうかをまずは確認されることをお勧めします。
いくら見た目が良い家でも、クレームだらけミスだらけの家では元も子もありません。