不動産売買契約書の中に、固定資産税・都市計画税の精算方法について書いた条文がありますが、今回のご相談者の場合、通常と内容が異なっています。
条文:今回の売主は宅地建物取引業者であるため、精算する固定資産税・都市計画税の内、建物に係る税額には消費税額10%相当額が付加されるものとする。
これが理解できないという相談です。
確かに税金に消費税が付加されるなんてあり得ないと思うのは普通でしょう。
売主が宅建業者だと税金にも消費税が付くなどという法律もありません。
これはどういう意味かと言いますと・・・
固定資産税・都市計画税は、毎年1月1日の固定資産の所有者に課税されるもので、納税義務者は所有者で、その年の分を払うというのが建前です。
それを不動産売買の場合は、引渡日を持って精算するのが慣習になっており、引渡日前日までは売主、引渡日以降は買主が負担するものとして精算しています。
ところが税務署の見解は、固定資産税等を精算するのはあくまで慣習であって、正しくは1月1日の所有者が1年分全額払うべきものである。
それを精算して金銭の授受するのは税金の精算金ではなく、売買代金の一部であると解釈をするわけです。
売買代金扱いになれば、宅地建物取引業者が売主の場合は、建物分は消費税の課税対象になるので、精算金の内、建物部分の額には消費税を付加しなければならないことになります。
なんだかややこしい話ですが、税務上はそのようになっているので止むを得ないことになります。