東京在住で、終の棲家として名古屋にマンションを購入したいというお客様からの依頼で、検討中の中古マンションのホームインスペクション(住宅診断)をしてきました。
お話を伺うと、東京23区に買っても良いけれど、この価格(3800万円程度)の予算だと築30年超のワンル-ムマンションしか買えない。
名古屋ならこんなに立派なマンションが買えるので、名古屋に帰ることにしたとのことです。
確かに東京23区の中古マンションの平均売出価格は1億円を超え、いわゆるバブル経済期(1991年前後)を超えたとのこと。
その一方名古屋でお求めのマンションは、築15年ほどで分譲時には高級マンションとして売り出された立派なものです。場所にこだわらなければ、名古屋を選びますよね。
さてそのバブル経済期を超えたマンション価格ですが、当時は主に不動産業者が買い取って、そのまま転売する投機目的で価格が吊り上がっていました。
最終的に不動産融資の総量規制が当時の大蔵省から発令されたため、資金が続かなくなりバブル崩壊となったのですが、結果として痛手を被ったのは不動産業者であり、融資した金融機関でした。
ところが今回の価格高騰は、主に富裕層や外国人、個人投資家、そして夫婦とも収入があって世帯年収が1500万円を超える「パワーカップル」と言われる人が買い支えています。
その意味で投機ではなく実需と言えます。
そのためこの傾向が続く限り、東京23区のマンション価格は下落しないと言えるでしょう。
しかし金利上昇や供給過剰によって需給バランスが崩れた場合は、下落する可能性があります。
いずれにしても現在は高値圏にあることは間違いないので、購入を検討される方は慎重に判断されることをお勧めします。