ここ半年ほど、弊社に寄せられる問い合わせで気になる傾向があるので書いてみます。
昨日の問い合わせが代表的な例ですのでご紹介します。
問:建築中の建売住宅(木造3階建)を購入したいが、素人ながら設計図面や現地を見ると地震に耐えられないように見える。大丈夫でしょうか?
私:木造3階建の場合、構造計算が義務付けられているので、設計上は余程問題ないと思います。仮に構造計算を疑ってやり直すということですと2~30万円の費用がかかります。
問:そのことは聞いていますが、大変不安です。
私:設計上問題がないということなら、あとは設計図通り施工してるかを確認する住宅診断をされたら良いと思います。
問:そのようなニーズは多いですか?
私:多くはないと思いますが、弊社のような会社が存続している程度にはニーズはあります。
問:費用はいくらかかりますか?
私:中間検査1回だけ見るのでしたら55,000円です。
問:そうですか・・・検討します。ところで設計図を見ていただくことはできますか?
私:もちろん可能ですが、費用がかかります。
問:検討します。
このような問い合わせが本当に増えています。最終的にご依頼はありません。
弊社に検査を依頼してほしいということを言っているのではなく、住宅の品質の確認は大丈夫でしょうか?ということです。
以前はこのトークで多くの場合ご依頼があったのですが、最近はないのです。
ご相談者の口調からすると、費用を掛けたくない・無料でやってほしい。そういうことのようです。
この半年、建売住宅の価格が上昇しており、購入するのに一杯一杯という状況になっているので、住宅の検査料金まで払う余裕がないのも理解できます。
しかし過去不動産価格が上昇した時期(1990年前後や2017年前後)に建てられた住宅・マンションの品質がよろしくないことは実証済みです。
今回もその時期に匹敵するような価格上昇です。現場がどのような施工をおこなっているか確認することは、こういう時期にこそ必要だと考えます。
是非資金計画の段階で住宅診断(ホームインスペクション)の費用を盛り込んでおかれることをお勧めします。