住宅ローンの勉強会で出た事例で、ありがちな事例なのでご紹介します。
夫が住宅ローンを借りてマンションを買ったのですが、その後離婚となり、夫が引き続きローンを払うという条件で妻子がマンションに残ったケース。
よくありますね。
この場合、一番心配なのは元夫がローンを払わなくなることですが、今回のケースは律儀に返済し続けてくれているとのこと。
ところが忘れた頃に元夫が「このマンションは、自分がローンを完済したし、自分の名義のものなので、今から売るから出ていけ」と言って来たというものです。
離婚当時は妻子が住むところがなく、住宅を買う資金も家賃を払い続ける資金もないので、夫がローンを払ってくれるならここに住み続けたいと思われるのも理解できます。
しかし元夫が言うように、特に約束していなければこのマンションは元夫の所有物ですから、売りたいと言えば出て行かないといけないでしょう。
ここに住む権利は賃貸借契約でも、贈与でも売買契約でもないのですから、元妻の立場は弱い。
このようなことにならないように、
1.元配偶者の家に住み続ける権利は何なのかを確定してから離婚しないといけません。
2.そもそも離婚して夫が住まなくなった時点で、そのことを金融機関が知るところとなった場合、通常なら住宅ローンは引き上げになるので、この方法はお勧めできません。
当初はそれで合意されることもあるかと思いますが、この方法は絶対に止めた方が良いと考えます。