ここまで地震保険に関することを書いてきました。
先日のFPの地震保険の勉強会では、「最近の住宅なら耐震性が確保されているから地震保険に入る必要はないのでは?」という意見も出ました。
その例として「耐震性能3等級相当」と謳っている家が出ました。耐震性能で3等級なら最高等級なので、地震保険は不要ではということのようです。
この考え方は2点の間違いがあります。
1.「耐震性能3等級相当」ということは「3等級ではない」ということになります。
住宅性能表示制度で3等級を取得するためには、設計性能評価(設計図面上の審査)をクリアした上で、建設性能評価(工事の審査)もクリアしないといけません。当然倍の審査費用がかかります。
そこで「設計図の審査がOKと言っているのだから、現場はその通り工事するはずなので建設性能評価を受けなくても、当然3等級の家ができるはずだ」として、建設性能評価を受けないでコストを下げる場合があります。
このような住宅では「3等級」と謳うことを禁止されているので、「3等級相当」と表示することになります。
2.設計図と現場は一致しない
しかし工事中の第三者検査をしている立場からすると、”現場は必ずしも設計図通り工事していない”ことを知っているので、現場審査がない3等級=3等級相当は信じられないのです。
(現場審査があったとしても、3等級が確保されていない現場をいくつも見ています)
実際熊本地震では、新築間もないマンションが使えなくなった例もありました。
”最近の新築だから地震に強い”というのは、信じられないので建物の地震保険は利用することをお勧めします。