FP(ファイナンシャル・プランナー)の『地震保険の支払いの実状』という勉強会で、実際の査定シートを使って自分が被災したら、どれほどの保険金が支払われるか計算しました。
まず建物は罹災証明書によって、全損100%、大半損60%、小半損30%、一部損5%と、判定された割合で支払われるので分りやすいです。
次に家財は・・・この計算がこんなに複雑とは知りませんでした。
例えば家財保険を500万円とした場合。
「食器類」①食器②調理器具の2品目それぞれについて、破損・焼損・水濡れ・汚損の4つのどれかにチェックします。
仮に両方破損した場合、①②ともに損害になるので100%となります。
しかしこれが全額補償されるわけではなく、別に決まっている「補償割合」、食器類の場合は5%を掛けて全体の5%となります。
この作業を電気器具類(10品目・20%)、家具類(10品目・20%)、身回品その他(10品目・25%)、寝具・衣類(10品目・30%)それぞれについてチェックします。(%は補償割合)
以上を合計して保険金額が決まります。
例えば食器がウェッジウッドやノリタケの高級品ばかりであっても、500万円×5%=25万円までしか出ません。
もし食器の損害をもっともらいたいと思うのなら、最初から500万円を700万円、1000万円と上げることになり、その分保険料も上がります。
ただしこのチェックシートにも被害写真の有無を記入する箇所があるので、写真があればより有効です。
また実際の被災地(阪神大震災や東日本大震災)の話を聞いたところ、被災時にはこのような査定シートをチェックする専門家が圧倒的に不足するため、また地震保険自体が被災者の生活再建を目的として用意されたものであることを考慮して、厳格な査定はし難かったという話もあります。
いずれにしても住宅を所有されている方は、火災保険(建物・家財)と地震保険(建物・家財)の4つの保険を慎重に検討する必要があるということです。
意外に簡単に加入されている方が多いように思いますが、改めて加入の仕方によって大きくメリットが違ってくるとわかりました。