(4)相手の住宅ローンを返済しないとこちらの名義にできないケース
夫の住宅ローンがある住宅を妻の名義にするケースが、最も難しいことになります。
夫のローンが残ったまま、住宅の名義を夫から妻に移転することはできます。
しかしその場合、いくつか問題が発生します。
1.名義変更にあたって対価は支払われたか?
財産分与であれば、妻から夫に対価を支払う必要はありませんが、それ以外の場合、対価を支払わなければ夫から妻への贈与とみなされて贈与税の対象になります。
2.名義変更にあたり金融機関の同意を得たか?
金融機関との住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)には、金融機関の承諾なく名義を変更した場合は、融資金残額を返金することとされているのが一般的です。
通常金融機関は同意しないので、事実上できないことになます。
3.財産分与も贈与もせず、金融機関の承諾を得られるか?
妻が自己資金で購入し、夫はその現金で住宅ローンを返済して妻に所有権を渡すのであれば実現可能ですが、妻に資力があることが条件となります。
ここまで読んでいただいておわかりのことと思いますが、離婚の場合どちらかに資力があれば、問題なく解決できることがほとんどですが、通常妻に資力がないので、ここで暗礁に乗り上げます。