賃貸マンション経営を始めて十数年。このままだとデッドクロスになりそうだが、どうしたら良いかというご相談をいただきました。
デッドクロスとは、アパートローンの元金返済額が減価償却費を上回る状態のことです。
デッドクロスになると、帳簿上は利益が出ているにもかかわらず、課税される所得税が増えるため資金繰りが悪化するので、ご心配になるのも無理はありません。
デッドクロスになる原因は次のどれかですので、解決策は比較的明確なのですが、方策は限られています。
1.アパートローンの利息額(経費)が減って来るから。
2.減価償却費(経費)が減って来るから。
3.そしてそこに賃料(収入)の下落が重なるから。
例えば、建物等の法定償却年数に対してアパートローンの返済期間が極端に短いとか、投資額に対してローンの割合が高い場合などにデッドクロスが発生します。
また元利均等返済のアパートローンを利用している場合、返済が進むごとに元金返済額が増えていく(利息は減る)ので発生し易くなります。
ただし不動産賃貸経営をするうえで、デッドクロスになることは、いずれ減価償却費と利息が減ることははっきりしているので避けることはできません。
では対処方法は・・・
1.アパートローンの借り換えや繰り上げ返済をする。
2.新規で物件を買い増しして、減価償却費や利息を増やす。(不動産物件でなくても良い)
3.賃貸マンション経営を止める。(売却する)
4.家賃を上げる努力をする。
この位しか思い浮かびません。
個人的には、事業開始当時から経営計画に沿って適切に経営していれば、家賃を維持あるいは上げることができるので、そう心配することはないと思いますが、この「経営計画に沿って適切に経営する」ことがされていないケースが多いので問題なのです。
今回は比較的対策可能なケースでしたので、回答をご提案してご相談は終わりました。