住宅性能表示で主な項目が最高等級を取得している建売住宅は、品質は良いですよねというご相談がありました。
例えば耐震等級は3と確かに最高等級になっています。
住宅性能表示制度では、まず設計上耐震等級3になっていれば「設計性能評価書」が発行されます。
それだけでは現場が設計図通り施工しなかった場合、等級3にならないので、建築中の検査が行われ問題がなければ「建設性能評価書」が発行されます。
この2つの評価書が揃うことで、耐震等級3の住宅になっていると表示することができます。
ときどき建設性能評価書を取得しないで「耐震等級3相当」と表示している建売住宅を見ますが、現場施工を甘く見ている会社だと感じます。
建設性能評価書まで揃っていれば、現場検査に適合しているので信頼できるという考え方もできます。
しかし建築中の現場の第三者検査をしている立場からすると、性能評価の現場検査が完璧だとは正直言えません。
性能評価の検査が終わった後に、弊社の検査が入って手直しをお願いすることも想像以上に多いのです。
また本来法律では、建築士は建物の設計をし、工事中は現場監理をすることになっていますが、現場で監理建築士に会うことはほぼありません。
現場監理は現場監督や職人に任せており、現場から出てきた書類に監理建築士が書名するというのが現状です。
このような実情を見ていると、住宅性能表示が最高等級だから、その建売住宅の品質が良いとは言いづらいのです。
少なくとも設計図は問題ないとしても、現場はわからないというのが経験上言えることです。