ある銀行の行員さん向け住宅ローン研修のテキストを作っているところです。
住宅ローンの専門家である行員さん向けに、どうして一介のFPがテキストを作っているんだ?と思われるかも知れませんが、銀行員と言っても業務の範囲が広く、すべての行員さんが住宅ローンに詳しいわけではありませんので、「一介のFP」の出番もあるのです。これ本当の話です。
その中で「住宅ローンの繰上げ返済を提案する場合は、繰上げ返済の原資が確保できることを確認してから勧めるようにしましょう。」という一文を入れておいたところ、事務局からこれは正しい文章なのかという問い合わせをいただきました。
繰上げ返済は、手元に資金があるとついつい実行したくなりますが、それによって将来手元資金が不足することになる場合があります。
これを繰上げ返済貧乏と言います。
繰上げ返済は、手元資金で行うのではなく、あくまで「余裕資金」で行うものです。
これを「生活必要資金」や「使用予定資金」を使って行うと、生活が運営できなくなったり、お子様の入学金が不足する事態に陥ります。
ですから「繰上げ返済は、原資が確保できていることを確認してから」行わないといけないのです。
そのためには、将来の余裕資金がいくらあるのかを家計のシミュレーションをすることで確認する必要があります。
このあたりは銀行の窓口では作成してくれないと思いますので、最寄りのFPさんに作ってもらうことになります。
繰上げ返済を予定して住宅ローンを借りられる方は、必須の作業になります。