住宅新築工事をするときは、何社かに見積書を出してもらうことがとほんどだと思いますが、この見積書がお客様には大変比較しづらいようです。
各社それぞれ使う部材や設備、工法・構造が違い、まったく同じ住宅を造ることはできません。さらに見積書の書式や記載ルールも違います。同じでないものを比較するほど難しいことはありません。
大変簡単な例で説明します。
A社 本体工事3000万円+オプション(基礎内部防湿コンクリ-ト施工)50万円+長期優良住宅認定料金50万円=3100万円
B社 本体工事3050万円(長期優良住宅標準仕様・基礎防湿コンクリート標準仕様)=3050万円
単純に足せばA社が50万円高いように見えますが、B社の長期優良住宅認定のための申請料金がいくらかはわからないので比較はできません。
この場合、B社は長期優良住宅認定申請料金と基礎防湿コンクリートの工事代金が本体価格の中に含まれていることも考えられます。
希望として基礎に防湿コンクリートが施工された長期優良住宅が完成すれば良いということならB社でよいでしょう。
これはあくまで「簡単な例」であって、見積書は万事このように書かれるので、同じ土俵で比較することができないということです。
どうしても両社を比較したいということなら、各社に依頼してどちらか一方の会社の書式に合わせて見積もりを提出してほしいと依頼するしかありません。
しかしそれに応えてくれる会社はないと思います。各社自社で使っている見積書作成ソフトが異なるので、システムを変えてまで見積もることができないからです。
であればご自身で同じ土俵になるような見積書フォームを作って分解するしかありません。
1.両社の見積もり項目を揃える
2.本体価格に含まれている項目を表に出す
3.部材・設備だけの比較表を作る
4.数量(個数や面積など)が異なっている理由を両社に確認する
などを行ったうえで比較することになります。
それでもまったく同じ家ではないので、安ければ良いという結論にはなりません。
※一般的に同じ広さの部屋にもかかわらず数量が異なる場合は、例えば壁紙A社90㎡、B社100㎡とある場合、計測間違いでなければB社は作業ロスを考えて10㎡余裕を持って見積もっていると見て良いと思います。