現在建築業界は資材の高騰と部材の入荷不足の２重苦に喘いでいます。

価格の高騰だけなら、極端な話、施主さん（工事依頼者）にお願いして価格を上げれば対処できますが（その価格も相当額になっており、安易にお願いできないほどになっています）、部材が入手できないのは何ともなりません。

聞くところによると、部材が入手できずに工事が中断している現場もあるようです。

仮にこのような状態が長引くと、建築会社の経営に悪影響を及ぼし、最悪の場合工事中に倒産ということにもなりかねません。

これは経営が悪いのではなく、建てる力があるのに建てられないことによるもので、小規模な工務店だけでなく大手建築会社にも言えることです。

このような事態で今から工事を始める施主としては、「完成保証」を付けることでリスク回避するしかありません。

完成保証の制度は以下の通りです。例として住宅あんしん保証㈱のホームページからコピーしておきます。

【仕組み】
請負契約を締結した登録事業者様が住宅の完成前に万が一倒産等により工事の継続が不可能になった場合に、住宅あんしん保証がお施主様（発注者）に対し、前払金や増嵩工事費用を保証証書記載の金額を限度にお支払いし、工事の完成を支援する制度です。

【保証対象住宅】
原則、請負金額が3,600万円までの次の住宅が対象です。※対象住宅には、別途、あんしん住宅瑕疵保険の付保が必要です。
・一戸建て低層注文住宅
・集合住宅（木造・鉄骨造のアパート等）
・店舗併用住宅（住居専有部分面積が延床面積の1/2以上）

【登録できる建築会社】
登録には、過去３年間の決算報告書の提出による財務内容のチェックをはじめ、厳しい審査基準をクリアしなければなりません。

登録後も、定期的に審査を行います。毎年決算内容を確認し、経営状態のチェックをします。

【料金】
1棟当たり保証料100,000円（非課税）

以上です。
保証料は建築会社が保険法人に支払いますが、実質的には施主が負担することになります。この他に建築会社は登録料や更新料を払わなければなりません。

完成保証は、すべての建築会社が登録しているわけではないので、工事請負契約前に登録の有無を確認する必要があります。

今は非常事態です。１０万円の保証料で安心できるのなら良いと思います。