今年から住宅ローン減税は、住宅の省エネ性能によって控除額が変わることになりました。省エネ性能、断熱性能の向上はいまや国家的なーマです。
そんな中、断熱性能を売りにしているハウスメーカーで自宅を新築中の方から、第三者検査=ホームインスペクションの依頼があって断熱材検査に行ってきました。
省エネ性能、断熱性能が優れているためには、住宅の気密性が高く、そのうえで断熱性能が高いことが要求されます。
気密性を示すのはC値という数値で判断し、このハウスメーカーの住宅は気密測定の結果0.5以下で大変優れているようです。(弊社では気密測定はやっていません)
それを踏まえて弊社が検査するのは、断熱材の施工状態です。
このハウスメーカーが使用する断熱材は、硬質ポリスチレンフォームという部材で、実験による断熱性の数値は大変優れた素材です。
この断絶材が施工し終わった段階で、弊社が赤外線サーモグラフィを持参して熱漏れを計測するのですが・・・
このハウスメーカーに限らず、この断熱材を使う建築会社すべてに言えることですが、部材を垂木や間柱の間に押し込んで設置したところに、どうしても隙間ができるのです。
部材は直線的にカットされたものですが、垂木や間柱は木ですので、微妙に真直線になたないため、その間に隙間ができ熱漏れが発生します。合計すると、それが相当な量の隙間になるので、設計上の断熱性能が確保できていないことになります。(設計上の数値は、完全に隙間がないものとして計算されています)
弊社としては、この隙間をウレタンフォームなどで埋めていただくようにお願いするしかありませんが、ハウスメーカー側は熱漏れ写真を見ていただけば、埋める必要があると判断していただけるので手直しはしていただけます。
これで設計上の省エネ性能・断熱性能が確保されたことになります。
省エネ性能・断熱性能は、微妙な違いを肌で実感することはないのでわからないまま住むことになります。
設計上(パンフレット上)と同じ性能を求めるのであれば、工事中の断然材検査は必須だと思います。
※これはたまたま硬質ポリスチレンフォームの例ですが、他の断熱材についても同様の注意が必要です。