自宅と実家を売って、その資金で土地を購入し、高齢の親と同居する家を新築したいというご相談。
自宅を住み替えるだけでも大変ですが、今回はご両親が住む実家も売らなければならないのでより大変です。
実際、建築を検討しているハウスメーカーの担当者は、売却の話は切り離して、新築計画だけを進めようとしているので、心配になって弊社住宅相談センターに相談いただいたものです。
このケース、私もハウスメーカ在職時に経験していますが、仮住まいをしない理想的な進め方は以下の通りです。
1.不動産業者に自宅と実家の査定価格と買取価格を出してもらう。(そのハウスメーカーの不動産部が担当してくれるなら、なお良い)
2.土地+建物の総予算を決める。
3.候補地が見つかったら住宅ローンを使って購入する。
4.新築住宅のプランを確定させ、建築確認申請を出しておく。
5.2つの土地の売却開始。
6.買主が現れたら、売買契約書に「新居が完成し入居できる状態になったたときに引き渡す」という条件を入れる。
7.売買契約が成立したら新居の工事開始。
8.完成した新居に入居すると同時に自宅と実家を買主に引き渡す。
以上のようにすれば、仮住まいをする必要もなく新居に転居できます。
ただしここで問題となるのが、自宅と実家が同じタイミングで売れるのか?ということです。
正直その可能性は低いでしょう。
ではどうするか?どちらか一方の売買契約が成立したら、残った方は査定の時に提示された買取価格で業者に買い取ってもらいます。
そうすれば「両方同じタイミング」で売却できます。買取価格は一般の取引より安くなりますが、それを見込んで資金計画をしておくので問題ありません。
もちろん一般取引で売却できれば、より良い結果になります。
以上簡単に説明しましたが、他にも注意点はたくさんあります。このような進め方をするには、2つの土地の売却と住宅の新築という3つの作業をコーディネートする人が必要になります。
その役割は理想を言えば・・・
1.新築するハウスメーカー・工務店の不動産部の担当者。
2.建築のことが理解できる不動産業者(自宅と実家両方の売却は、同じ業者に依頼します)
ですが、残念ながら心当たりがないということで、弊社住宅相談センターにコーディネート役をご依頼いただきました。