最後に離婚にともなう住宅ローンの解決方法のポイントをご紹介します。前回も書きましたが、この問題はケースバイケースで、こうすればどのケースでも解決できるというものではありませんので、あくまでポイントしか書くことができません。
※解決方法を考えるポイント(便宜上、住宅には妻が残って、夫が出て行くものとします)
1.まず借りている住宅ローンの権利関係はどうなっているかを確認する。
連帯保証人・連帯債務者・住宅の名義など
2.現状を確認する
①ローン残高 ②敷地や建物の面積や築年数 ③土地の路線価 ④建物の固定資産税評価額
⑤売却予想価格(複数の不動産業者の査定書などがあると良い) ⑥引き継ぐ人の年収などローンの返済能力
3.その住宅を現金で購入できる人はいないか?できる場合は、夫とその人の間の売買契約になります。
・妻が現金で購入できないか
・妻の兄弟や親が現金で購入できないか
4.お身内で住宅ローンを使えば買える人がいる場合は、親族間売買を認めてくれる金融機関はないか?
・原則として親族間売買を正面から認める金融機関はありませんが、例外的に認められるケースがあります。扱ってくれる金融機関を探してみましょう。
5.譲渡所得税が発生しないような所有権移転はできないか?
・売却によって利益が発生する場合、3000万円の特別控除を利用できるように条件整備をする(この特別控除は、親族や同族会社など特定の関係者への譲渡の場合は認められません)
・譲渡にならない所有権移転方法を検討する
以上を基本的なポイントとして、あとは土地・建物の時価額や路線価、お身内の居住形態、離婚に至る経緯などを総合的に判断すると解決できることもあります。もちろん買い受ける方が住宅ローンを借りる条件を満たすことが前提条件です。
離婚にともなう住宅ローンの処理についてご相談者は、ご自身で金融機関をいくつも訪問されて相談された後に弊社にいらっしゃいますが、この間のご苦労は大変なものだと思います。
今回書いてきた内容を参考にして、少しでもそのご苦労を緩和していただければと思います。
※離婚に伴う住宅ローンの処理方法は、弊社住宅相談センターにご相談ください。