大手ハウスメーカーと工事請負契約をしようとお考えの方から、内容確認のご依頼がありました。
請負契約は契約後も間取りなどを変更することができるので、比較的気楽に契約しがちですが、契約は契約です。きちんと内容を確認したうえで調印していただきたいと思います。
工事請負契約書には①契約書、②約款、③内訳書(見積書)、④設計図面、⑤設計・監理業務委託契約書と同重要事項説明書、⑥住宅性能評価や長期優良住宅に関する確認書、⑦アフターサービス基準、⑧保証約款などが一式になっているので、結構分厚い書類になります。
これを突然説明されても理解することが難しいので、弊社住宅相談センターに事前チェックを依頼されたものです。
拝見したところ、おやっ?内訳書の一部がありません。内訳書は設計図面を基にして作られる見積書で、契約書類の中では大変重要な書類になります。
このハウスメーカーでは建物の本体価格の見積書はしっかりあるのですが、付帯工事(水道・ガス・電気の引き込み工事)や共通仮設工事(仮設トイレや鉄板養生など)などは合計金額が書いてあるだけです。
これだといくらの雨水桝が何個、水道管の距離が何mあるのかわかりません。
現場はこのハウスメーカーの複数区画の分譲地なので、仮設トイレを見積金額には含めておいて、実際は他の区画の工事と共用すれば不要にすることもできます。
などなど本体価格と比較すれば、工事金額は小さい項目ですが、本来なら見積書を添付するべきものです。
営業マンに確認したところ「お客様からときどき言われるのですが、うちの場合は出さないことになっているんですよ。自分も内訳がどうなっているか知りません。現場の敷地面積で自動的に計算されるようになっています。」とのこと。
このハウスメーカーは過去にもチェックしたことがありますが、そのときは確かにあったような・・・
こんな契約書があるんですね。トラブルにならないのが不思議です。今後気をつけたいと思います。