東京都の新築マンションの平均価格が、バブル期(1990年)を超えたというニュースがありました。
30年以上経っているので当然とも言えますが、この間平均給与は上昇しておらず、可処分所得は減り、物価も横ばいだったことを考えると異常な価格と言えるでしょう。
昨日今年3軒目となる億ションの完成内覧会に同行してきました。(いずれも同じ億ションを買うのが趣味のお客様が買主です)
3軒とも同じデベロッパーの分譲で内装もほぼ同じでしたが、昨日の物件は、これならかろうじて億ションと言えるかというもので、なかなか立派な物件でした。
3軒目ともなると営業担当者も私の顔を覚えており、「どうですか?」と聞いてきます。
「3軒の中で一番良いですね。」とお伝えしたら、「私もそう思っています。」とのこと。
私が不動産業界に入った35年前、最初に関係したのが億ションでした。
立地は原宿駅前・南青山・一番町など超一等地ばかり。しかも建物もそれはそれは立派なもので、今見てもすごいとしか言えないものです。
ところが最近の億ションは、立地こそ希少な場所ですが、仕様は普通のマンションと同じ。間取りも6畳の狭い部屋があるなど、昔の億ションを知る者としては納得できない。
先日ある大手ハウスメーカーの部長に聞いたところ、30年前は坪45万円でマンションが出来たが、今は90万円している。建築費がそれだけ上がっているということ、だそうです。
今一等地なら地価もバブル期並みなので、結局のところ億ションと言っても、建築費が高騰した分、建物の仕様が劣ることになります。
もう一度確認ですが、その間可処分所得は減っているので、今の億ションは、当時の億ションと比較して大変高いものになっているということです。
ただ金利が当時よりはるかに低いのが、価格を支えている要因でもありますが。