土地を購入される方からのご相談がありました。
今回土地の面積は、登記簿に記載されている面積で売買することには買主様も同意されています。これを公簿売買と言い、実際に測量した面積で売買することを実測売買と言います。
これについて仲介業者が作成した売買契約書には特約として、「今回は公簿売買なので、第4条に定める境界の明示は行わない。」という一文がありました。
この仲介業者は「境界の明示」は、境界杭や境界線の測量によってしか確定できないと誤解しているようです。
公簿面積か実測面積かという問題は、売買対象面積を確定するための問題です。
これに対して「境界の明示」は所有権の範囲を伝えるもので、必ずしも実測して決めなければならないものではありません。
売主が「ここからここまでが、今回お売りするうちの土地です。」と明示すれば良いことになっています。(それが実測と合っていようと、いまいとです)
したがって「公簿売買だから境界を明示しない。」という一文は文章としておかしいのです。つまり公簿売買でも境界は明示するものなのです。
そこでどうしても境界を明示しないのであるなら、第4条の「売主は本物件の引き渡しまでの間に、買主に対して境界を明示するものとする。」という条文を抹消してもらうのが一番ですとお伝えしました。
おかしな一文を入れると、かえって将来もめることになります。