来年度注目されている住宅ローン控除制度ですが、昨日一斉に改正案が報道されました。これだけ大きく報道されれば、財務省の反対を押し切って、ほとんどこのまま可決されると思われます。
【縮小される項目】
1.控除率は住宅ローンの年末残高の1%から0.7%に縮小。
2.利用でできる人の所得制限が3000万円から2000万円に引き下げられます。
3.ローンの年末残高の限度額が、4000万円から3000万円に縮小。ただし高性能の住宅は5000万円のまま。
【拡大される項目】
1.控除期間を現在の10年(例外13年)を15年に延長する。
この影響で考えられるのが、住宅ローン利用者が選択するローンの金利タイプが、より変動金利型を選ぶ傾向が出ると考えられます。
今月の長期固定金利型、例えば【フラット35】の金利は1.33%(返済期間20年超、融資率9割以下、団信込みの場合)ですが、その中から1%控除されるのなら、差の0.33%程度は負担しても良いと考える人は多いと思います。
しかし控除率が0.7%に縮小されると、1.33%−0.7%=0.63%は如何にも大きな差のように感じます。
これが変動金利型の0.4%なら、差は逆に▲0.3%となり儲かってしまうことになります。(実際は借入経費が必要になるので、それほど儲かる訳ではありませんが)
このような比較表を提示されれば、一層変動金利型を選ぶ人が増えるでしょう。
また手数料の額を検討することも大きな要素になってきます。
事務手数料33.000円で金利0.45%のローンと、融資手数料=融資額の2.2%で金利0.375%のローン、どちらが有利でしょうか?
控除額が少なくなることから、僅差の勝負になると思われるので計算が必要になります。(実際の計算はお客様のライフプランによって異なってきます)
ということで、有利な住宅ローンを選びはより難しくなってくるのは間違いありません。