少し前には住宅の床にビー玉を置いてコロコロと転がる映像を見せて、これは欠陥住宅だと訴えるニュースがありましたが、さすがに最近は見かけません。

しかし新築住宅を購入した子供のために、両親がビー玉を持参してチェックする姿はたまに見かけます。

ビー玉が転がるとその住宅は欠陥なのでしょうか？

現在では新築住宅の引き渡し前に、買主の内覧・検査があり、その場に私たちホームインスペクター（住宅診断士）が同行することが増えてきました。

ホームインスペクターは一定の基準によって住宅を診断するわけですが、住宅の傾きについてはビー玉ではなく、レベルレーザーという機械を使ってミリ単位で計測します。

それによって床の場合は水平方向３ｍの距離の中で、壁や柱の場合は、垂直方向２ｍの距離の中で１，０００分の６以上の傾きがあった場合、不適合（欠陥）と判定します。

この１，０００分の６以上の傾きとは相当な傾きで、ビー玉を置けば間違いなくコロコロと激しく転がります。

仮にこれ以内の傾きであっても（例えば１，０００分の３程度）転がります。

つまりビー玉が転がったとしても、必ずしも欠陥住宅にはならないということです。むしろ転がらない方が例外と考えた方が良いかも知れません。

床や柱の傾きを市販の水平器で計測するホームインスペクターも多いと思いますが、ここはデリケートな問題になるのでレベルレーザーで計測されることをお勧めします。

ちなみの弊社住宅相談センターではこれまで１，０００棟以上の住宅の診断をしてきましたが、新築住宅で１，０００分の６以上の傾きがあったのは２棟だけでした。

２棟とも引き渡しまでに補修していただきました。