不動産業者というと、テレビドラマでもどちらかというと良い役をもらえない業種ですが、それでも最近は徐々に改善していて立派な業者さんも増えていると思っていました。

ところが弊社のお客様がとんでもない仲介業者に引っかかってしまってご相談にいらっしゃいました。

不動産購入の際に重要事項説明書や契約書の読み合わせをするのですが、契約の当日に初めて書類を見て言われるがまま署名・捺印したそうです。

その中に「買主は仲介業者X社のグループ会社Z社に以下の事務を委託することを承認する。」となっており、
１）引き渡しの日程や場所の調整
２）司法書士の紹介
３）火災保険の提案
４）インターネット環境の手配
５）リフォーム工事の相談
などが挙げられており、これらを行う報酬として３８，０００円をＺ社に支払うこととなっていました。

お客様は３と４は自分で手配するので不要としましたが、１と２をＺ社が行うということで報酬の請求を受けました。

また５のリフォーム工事は見積もりを取ったら、とんでもなく高額だったため断りました。

売買契約の仲介業務において、１や２は当然仲介業者Ｘ社が行うものと考えるのが普通ですが、Ｘ社はそれをグループ会社Ｚ社に委託することで、法定の仲介手数料を超える報酬額を得ようとしている訳です。

もちろんＺ社は別会社なので、Ｘ社の報酬が法定額を超えることにはなりませんが、事実上の法律違反と考えます。

Ｘ社は新興とはいえまがりなりにも上場企業ですから、顧問弁護士を雇って法律に抵触しないように緻密な策を練っていると思いますが、これは明らかにおかしい。法の抜け穴を利用した行為と言えます。

買主がこの物件を買いたいと願望した持った弱みに付け込んで、３８，０００円とはいえ余計な費用を払わせる。ある意味独占禁止法違反とも考えられます。

このお客様はかなり以前から弊社に相談をいただいていたのですが、肝心の重要事項説明書のチェックは依頼されませんでした。

今から思うと無理にお願いしてでもチェックしておくべきだったと残念に思います。

ということで、最近の手口は巧妙になっていますので十分ご注意ください。

今後Ｘ社の評判を聞かれたら、あそこで仲介してもらうと一般の業者さんより費用がかかりますよと言うことにします。