本日の日経新聞朝刊別冊の『学んでお得』のコーナーでは、『FPがお悩み解決 戸建ての修繕費』という特集を組んでいます。
新築後に必要になる費用を、2016年にアットホーム社が行った「木造新築戸建て住宅に30年以上住んでいる人」向けのアンケートから取り上げています。
それによると、
18年目 シロアリ駆除 平均26万円
20年目 外壁 同100万円
23年目 屋根 同110万円
25年目 キッチン回り 同128万円
そしてアンケートで挙がった修繕をすべて行ったと仮定すると総額901万円になるとのことです。
これは住み始めてから月額3万円を積み立てても、25年後には使い果たしてしまう金額です。
これを受けてFPさんは、計画的に準備しておきましょうと忠告しています。
この結果をどうみるか?
まずこの結果はあくまで、現在住んでいる人が行った「結果」を表しているということです。
住宅のホームインスペクション(住宅診断)をしている弊社住宅相談センターとしては、建築後何年も経過した住宅を見ているのですが、18年目に初めてシロアリ駆除で出費というのは、いかにも遅すぎるように思います。
実際はそうなのでしょうが、それでは劣化が進み、あとあと修繕費がかえってかさむことになります。早め早めの修繕が望ましいと思います。
外壁や屋根の仕様にもよりますが、一般的なサイディング材の外壁なら10年目には目地が劣化するので、コーティングする必要があると思います。
おそくとも15年目にはバルコニーや屋根の防水工事をする必要があるでしょう。目地のコーキングと同時期にすれば割安でできます。
こう考えると、外周のメンテナンスには月額1.5万円程度の積み立てをしておくことが望ましいと考えます。(10年で180万円)
またキッチン回りのリフォームは、個人差が大きいと思いますが、浴室や洗面所・トイレと合わせて、25年毎に200万円以上準備しておくと良いでしょう。(月額7千円・ただし最低限の金額であってグレードにより異なります)
ということで、月額3万円積み立てても間に合わないというのは、少々大袈裟なようにも思いますが、修繕が遅れ遅れになった結果の金額だと思えば理解できないこともありません。
結論として、外周のメンテナンスには月額1.5万円、設備のリフォームには最低7千円から、ご自身の趣味に応じた額を用意する必要があるということになります。
なおハウスメーカーの中にはメンテナンスフリーを謳っている会社もありますが、そのような住宅は将来どの程度のメンテナンス費を見ておけば良いか、それぞれの会社に確認する必要があると思います。
何しろ過去何十年にもわたって建っていた実績がないので、メンテナンスフリーをにわかに信じる訳にはいかないのです。