国の住政策が「フローからストックへ」、「新築重視から既存(中古)へ」という流れになっているのに歩調を合わせて、中古物件を扱う不動産仲介業者のなかにもリフォーム営業を始める業者が増えています。
中古物件を案内する最前線にいるわけですから、仲介を成約させて手数料をもらってハイ終わりではなく、その後に買主が予定しているリフォーム工事もいただこうとするのは当然でしょう。
中には中古物件の案内のときから、グループ会社のリフォーム担当を同行させたり、中古物件の案内前に自社のショールームを見させて「中古物件は汚れていますが、こんなふうにリフォームできるので、汚れは割り引いて内覧しましょう。」などと下準備をする業者もいます。
ここまですれば仲介の成約率も上がるでしょうし、リフォーム工事の受注も取り易いでしょう。
そのこと自体に問題はありませんが、このケースで弊社住宅相談センターに相談いただくのは、「進行が早くてリフォーム業者を比較する時間がなかった。」というのがほとんどです。
物件を内覧し、購入を決断して契約に臨むという仲介の流れでさえ早く進んでいくのに、さらにリフォームの打ち合わせをして見積もりを見て契約するという流れが追加されることで、買主はその工事内容で良いのか?見積もり金額は妥当なのか?業者の信頼性はどうか?など一切検討する余地がないのが実情のようです。
そこで不安になった買主さんからの相談で弊社が見積書を拝見するのですが、多くの場合工事費が大変に高いのです。
相見積もりを取れば、間違いなく30%以上は安くなるし、グレードを上げることもできそうです。
買主としては、物件の引き渡しを受けた後には、なるべく早くリフォーム工事を終わらせて、美しい新居に入居したいと考えるのが普通だと思いますが、リフォーム工事と言えどもそれなりの金額になりますし、仕様・設備も納得いくまで検討したいと思います。
仲介業者のリフォーム部門に相談されることには問題ありませんが、必ず相見積もりを取ることを忘れないでいただきたいと思います。