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空き家相談会で勉強になること

昨日は岐阜県笠松町と私がアドバイザーを務める一般社団法人が空き家問題で提携したのをきっかけに、第1回空き家相談会を開催し、私は相談員として参加してきました。

担当した相談は、すでにどこかの公的な相談会へ行ったのですが、扱いがぞんざいだったらしく、カンカンに怒っているという相談者です。

「こういう難しい相談者は吉田さんに担当してもらうのが一番だね。」と根拠のない理由で担当することになりました。

相談内容を要約すると・・・

親と共有名義で所有している空き家について、町から適正に管理するようにと手紙をもらった。

親は認知症で施設に入所しており、もう8年以上誰も住んでいないので、建物は朽ちてきたし草はぼうぼうで近所の迷惑だということはわかっている。維持するのも大変なので売却したい。

これに対して、ある公的な団体の相談員の回答は・・・

1.認知症の所有者の不動産は行為能力がないので売れない。
2.売る場合は、成年後見人を立てた上で、家庭裁判所の許可をもらわないといけないが、自宅は余程のことがなければ許可が出ない。
3.なおかつこの土地は市街化調整区域に位置しており、一部が農地なので、宅地部分は別としても農地部分は農家でないと買えないから売るのが難しい。

以上1~3はすべて間違っていない回答です。

しかし相談者はそれをわかったうえでどうしたら良いかを知りたいのであって、法律の一般論を聴きたいわけではありません。

相談者の話では、そこまで説明を受けて、けんもほろろに帰されたとのことです。公的団体としては不親切な対応だとお怒りなのです。

さて以上の内容に対して私の回答は・・・
1.成年後見人を立てることは多少の費用は掛かりますがよろしいですか? ⇒ OK

2.成年後見人が認められたら、自宅の売却について家庭裁判所に許可を申請しますが、原則自宅は容易に許可は下りません。

ところで現地を拝見しましたが、現状住むことがないと思いますが? ⇒ そのとおり。

であれば住宅内にある親の荷物を処分して、二度と自宅として利用できないことを証明する必要があります。

町から適正管理の要請が来ているほどですから、自宅の売却ではなく未利用地の売却として認められる可能性はあります。

3.また市街化調整区域内の宅地と言っても、登記簿だけではどんな宅地なのかわかりません。もう少し調査して「旧既存宅地」とわかれば十分売買できます。農地部分は難しいと思いますが。

4.売却先としては、周辺は資材置き場や駐車場などで企業が利用しているので、そうしたところに当たれば買い手が出て来るかもしれません。

広さも200坪と丁度良く、地形も四角なので利用し易い土地です。簡単にはいかないと思いますが、一つ一つ調査して前に進んでいきましょう!

ここまで約20分ですが、ご相談者ご夫婦はニコニコし出して、少しは先が見えてきたなとおっしゃっていただきました。

最後に「これって今売ろうとするとそのような手続きが必要だけど、親が亡くなってしまうとどうなりますか?」と質問。

私の回答・・・
失礼ながら亡くなってしまえば、単なる相続と言うことで親の持ち分を相続できれば、ご自身の判断で売ったり貸したり自由にできますよ。

最終結論・・・
町から適正管理をするように言われていることだし、親の死を待つわけにはいかない。成年後見人を立てるように進めます。

ということになったので、一般社団所属の司法書士をご紹介しておきました。

空き家相談会で解決策を明示することは大変難しいのですが、相談者に寄り添い、ともに考えるという姿勢はどんな相談会でも同じだなといつも勉強になるのです。