最近は都市部から地方への移住を希望する方のご相談も増えています。
弊社の場合は住宅に関する相談が多いのですが、移住先ですぐに住宅を新築する計画の方もいらっしゃいます。
このケースで問題になるのが住宅ローンです。
一般的に移住する場合、転職を前提とすることが多いと思いますが、民間金融機関の住宅ローンは通常一定期間以上の勤続年数が必要になりますし、年収の見込み額も明確でないとないといけません。
現在の仕事をやめて移住先で新しい仕事を見つける場合、住宅ローンを利用することは難しいと考えられます。(弊社では過去にそのようなケースで住宅ローンを借りるためのコンサルをしたことはありますが、例外と思っていただいた方が良いと思います。)
さて7月17日付日経新聞『プラス1』では、『地方移住の”想定外”を防ぐ』という記事で、移住先で必要になる生活費などについて書いています。
通常FPが作る家計のキャッシュフロー表では、地方の生活費は都市部の生活費より低く見積もってシミュレーションしますが、これには注意が必要だと書いています。
記事に書いてある注意項目を挙げてみます。
1.食費は意外に差がない。ある調査では東京都区部と移住先として人気がある静岡市では月8千円しか違わないそうです。
2.車に関する費用が大きくなる。移動手段が車に限られるような地域では、家族1人に1台必要になったりしますし、日常のガソリン代などがかさみます。
3.水道光熱費。プロパンガスは都市ガスより高いですし、地方の自治体の水道料金は比較的高いです。
4.町内会や自治会費用、祭事の協賛金などがかかります。
5.休日に副収入を得ようと考えていたところ、どぶ掃除や草刈りに駆り出され、それどころではないということもあります。
6.子供が高校大学に進学したとき、遠方に出れば通学費が高くなることもあります。
7.移住にかかる引っ越し代なども忘れずに。
以上意外に地方の生活はお金がかかるということですから、FPとして個人的には移住後の家計のシミュレーションを作るときは、都市部と変わらない生活費を採用してシミュレーションするようにしています。