「特命入札方式」でマンションの大規模修繕を管理会社のグループ会社X社に依頼することを決めた理事会でしたが、ここで前理事長から異論が出ました。
前理事長は日常の軽微な修繕工事なども、X社が「特命入札方式」で決めていたことを知っているのですが、そのことに疑問を持っていらっしゃったようです。
例えばマンションの植栽の剪定工事をしようとすると、管理会社がX社に依頼して複数の見積書を取ります。見積書には業者名はなく、ただ金額が書かれているだけで、「複数の中で最も安い額の業者を採用しました。」とだけ説明を受けます。
工事を請け負うのはX社で、実際の工事は一番安い金額を出した(と推測される)業者を下請けとして使うのですが、その業者(Y社とします)は管理組合にはわかりません。
ここで問題になるのは、確かに一番安い金額を提示した(と推測される)Y社に下請けさせるのですが、X社がそこに自社の利益を上乗せしていることです。
本来なら管理組合がY社と直接契約すれば良いのですが、Y社を探したり複数社の見積もりを取る手間を考えると現実的ではないかも知れません。(理事長がおっしゃる重労働になります)
このことに疑問を持った前理事長がいろいろ調査した結果、X社はY社の見積もりに35%上乗せした額で管理組合に見積額を提示していることがわかったそうです。
日常業務でそれだけ上乗せされているのであれば、大規模修繕では数千万円の上乗せになってしまうと危惧したのです。
実際の大規模修繕工事では、このようにして管理会社やその系列企業が利益をあげるのは一般的なことだと言われています。